
やり取りを重ねてきた相手から、一緒にネットショップを運営しないかと誘われている。
有名ブランドの名前が付いたサイトを案内され、仕入れの代金を先に用意するよう言われた。
断る理由は見当たらないけれど、お金を出す前に確かめておきたい。
そう考えて調べている方が多いと思います。
この段階で確かめられるのは、相手の気持ちではありません。
案内されたサイトが正規のサービスかどうかと、立て替えたお金がどう戻る仕組みになっているかです。
この記事では、DataProに寄せられた相談で繰り返し見られる誘い方の共通点、サイトの確かめ方、仕入れ代金の立替、画面に表示される売上の見方、出金を申し込んだときに起きること、入金の前に残しておく記録を整理します。
DataProは、暗号資産(仮想通貨)や投資サイトのトラブルに限らず、SNS投資詐欺やロマンス詐欺、副業詐欺など、オンライン上の詐欺被害全般のご相談を受け付けています。
まだ入金していない段階でも、ご相談いただけます。
ネットショップの共同運営を持ちかけられている状況を整理する
はじめに、いま起きていることを順番に書き出します。
- 相手とどこで知り合い、どの連絡手段へ移ったか。
- 共同運営の話が出たのが、知り合ってからどのくらい後か。
- 案内されたサイトの名称とURL。
- これまでに求められた金額と、その名目。
- 画面上に表示されている売上や残高。
- 実際に自分の口座へ入ってきた金額。
相手の人柄と、お金の流れは分けて書いてください。混ぜて考えると、確かめる順番が決まりません。
この6つがそろえば、入金する前に判断できる材料はおおむね集まります。まだ分からない項目があっても、空欄のまま進めてかまいません。
案内されたサイトと、やり取りの画面をもとに一緒に確かめられます。

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相談で見られる誘い方の共通点
公的機関が公表している注意喚起には、この種の誘い方と重なる記述があります。
警察庁は、SNS型ロマンス詐欺について、実際に会わないまま関係を深め、投資や結婚資金等の名目で送金を要求する手口を公表しています。また、マッチングアプリ等から早期に別のSNSへ誘導された場合は注意が必要だとしています。
国民生活センターは、マッチングアプリ等で知り合った人から投資を勧められ、送金したところ相手と連絡が取れなくなるという相談が多く寄せられているとしています。同センターのチェックリストは、連絡の取り方として「マッチングアプリから早々にLINE等のSNSへ変更を提案」「まめな連絡」を挙げています。
ただし同センターは、本来の目的で利用している人でも一部の項目に該当することがあり、該当しない相手であれば必ず安心というわけではないとしています。チェックリストは相手を見分けるためではなく、確かめる手がかりとして使ってください。
DataProに寄せられた相談では、投資ではなく「共同でのショップ運営」として誘われた例が複数あります。名目が投資でなくても、送金を求められる点は同じです。
ロマンス詐欺の手口の全体像はロマンス詐欺の手口と特徴|マッチングアプリやSNSで投資を勧められたらに、LINEへ移る前の確認点はマッチングアプリで投資を勧められたとき|LINE移動前に確認することにまとめています。
案内されたサイトが正規サービスかを確かめる

次に、案内されたサイトが正規のサービスかどうかを確かめます。
| 確かめる点 | 正規サービスで確認できること | 案内されたサイトで確認できなかったこと |
|---|---|---|
| ブランドの公式サイト | 公式ドメインから同じ画面へ行けるか | 公式サイトから同じ画面にたどり着けない |
| 運営会社の表示 | 会社名・所在地・登録情報が示されている | 会社概要の記載が確認できない |
| 出店の申込先 | 公式の出店案内から申し込む | 個人からの案内だけで手続きが進む |
| 入金先の名義 | 会社名義の口座が示される | 個人名義や暗号資産を指定される |
国民生活センターは、偽サイトの見分け方として、URLの表記がブランドの正式な英語表記と少しだけ異なる、事業者の住所の記載がない、連絡方法が問い合わせフォームやフリーメールだけ、支払方法が限定されているなどをチェックポイントに挙げています。
同センターは、公式サイトやその運営事業者の公式ホームページ等に偽サイトに関する注意喚起情報がないかを確認するよう呼びかけています。案内されたリンクからではなく、ブランド名で自分で検索して公式サイトを開いてください。
同センターは、いずれかの項目に該当しても偽サイトではない場合があり、いずれの項目にも該当しなくても偽サイトの場合があるとしています。チェックの結果だけで安全だと決めないでください。
サイトそのものを調べる手順は、副業詐欺の手口と、費用を求められたときに確認することで費用を求められる副業の確認点とあわせて扱っています。
仕入れ代金を立て替える仕組みになっていないか
共同運営の話では、仕入れの代金を自分が先に払う形になっていることがあります。
書面やサイトの説明を開いて、次の点を探してください。どこにも書かれていない場合は、その事実を記録に残します。
- 仕入れ代金を誰が負担すると書かれているか。
- 立て替えた代金が、いつ・どのような条件で戻ると書かれているか。
- 商品の所有者が誰になると書かれているか。
- 運営をやめたいと申し出たときの扱いが書かれているか。
立て替えの条件が書面に無いまま進んでいないか見てください。口頭やメッセージでの説明しかない場合、あとから確かめる手段が残りません。
警察庁は、SNS型ロマンス詐欺について、出金時に追加送金を求められる事例を公表しています。仕入れ代金の立替も、出金の前に支払いを重ねる形になっていないかを確かめてください。
画面の売上と、手元に入るお金を分けて見る
画面に表示される売上は、引き出せる金額とは限りません。
次の2つを別々の欄に書き出してください。
- 画面に表示されている売上・残高と、その日付。
- 自分の口座に実際に入ってきた金額と、その日付。
- 出金できる金額として画面に示されている額。
- これまでに立て替えた金額の合計。
- 差額の理由として相手が説明した内容。
- その説明が書かれている画面か書面の場所。
差が開いている場合、その差額が何によるものとして説明されているかを書き留めます。説明が「仕入れ分」「手数料分」など費目で示されているなら、その費目がどこに書かれているかも探してください。
相手の人柄や連絡の頻度ではなく、この2つの数字の差が判断の材料になります。
出金を申し込んだときに求められること
出金を申し込んだ時点で、追加の支払いを求められることがあります。
DataProに寄せられた相談では、出金の手続きに進んだところで「追加の仕入資金が必要」「税金を先に納める必要がある」と説明され、支払うまで出金できないとされた例があります。相談者の申告によると、支払ったあとも別の名目が続いたとのことです。
国民生活センターは、タスク型の副業トラブルについて、最初に少額の報酬が得られても、その後に高額報酬のタスクのためなどと称して振り込みを要求されるケースが目立つとしています。名目が仕入れでも手数料でも、出金の前に支払いが重なる形は共通しています。
求められた名目を、言われた順番どおりに並べてください。1回目と2回目で理由が変わっているかどうかが見えます。
入金の前に残しておく記録

入金する前に、次のものを手元へ残しておきます。
- 共同運営を持ちかけられたやり取りの画面。
- 案内されたサイトのURLと、開いた日付。
- 立て替えを求められた金額と、その名目。
- 画面上の売上や残高が表示されている状態のスクリーンショット。
- 入金先(名義・金融機関・支払い方法)と入金日。
- 出金を申し込んだ記録と、返ってきた回答の文言。
サイトは予告なく開けなくなることがあります。画面は、日付が分かる形で保存してください。
国民生活センターは、相手から住所や氏名、銀行口座、免許証などの個人情報を求められることがあり、悪用される可能性が否定できないとしています。すでに渡したものがあれば、何を渡したかも控えておいてください。
入金の記録と画面の残高がそろっていれば、そのままお送りいただけます。




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すでに立て替えている場合
すでに仕入れ代金を立て替えている場合も、整理できることがあります。
- 立て替えた金額の合計と、送金した日付。
- 送金先(名義・金融機関・暗号資産のアドレス)。
- 戻ってきた金額があれば、その金額と日付。
- 次の入金を求められている場合は、その金額と名目。
次の入金は、いったん保留にしてかまいません。立て替えた分がどうなるかは、記録がそろっているほど確かめやすくなります。
すでに送金してしまった場合の進め方は、会ったことのない恋人に送金してしまったときにすることで扱っています。
DataProに相談できること・できないこと
DataProは、調査・分析・資金追跡を行う立場から、次の内容をお手伝いできます。
- 案内されたサイトの表示内容と、公開情報の突き合わせ。
- やり取りの記録を時系列に並べ、名目の変化を確かめること。
- 画面上の売上と、実際に入金された金額の突き合わせ。
- 暗号資産で送金している場合の、送金記録をもとにした資金の移動の確認。
一方で、法律相談、相手への返金請求や代理交渉、捜査、特定の相手やサイトが詐欺であるという結論を出すことは行いません。交際を続けるかどうかの助言もしません。資金の回収や口座の凍結をお約束することもできません。確認できる範囲とできない範囲は、ご相談の最初にご説明します。
ネットショップの共同運営についてよくある質問
マッチングアプリで知り合った相手にショップ運営を勧められました。
勧められたこと自体で判断はできません。確かめられるのは、案内されたサイトが正規のサービスか、仕入れ代金の立替条件がどこに書かれているか、画面の売上と口座に入った金額に差がないか、の3点です。入金の前に書き出してみてください。
有名なブランドの名前が付いたサイトを案内されました。
ブランド名で自分で検索して公式サイトを開き、そこから同じ画面にたどり着けるかを確かめてください。国民生活センターは、公式サイトやその運営事業者の公式ホームページ等に偽サイトに関する注意喚起情報がないか確認するよう呼びかけています。案内されたリンクからは確かめないでください。
仕入れの代金を先に払うよう言われています。
立て替えた代金が、いつ・どのような条件で戻ると書かれているかを書面やサイトで探してください。口頭やメッセージの説明しかない場合は、その事実そのものを記録に残しておきます。
画面上の売上は増えています。続けても大丈夫でしょうか。
画面の表示は、引き出せる金額とは限りません。表示されている売上と、自分の口座に実際に入ってきた金額を別々に書き出し、差額が何によるものとして説明されているかを確かめてください。
出金しようとしたら追加の入金を求められました。
警察庁は、SNS型ロマンス詐欺について出金時に追加送金を求められる事例を公表しています。求められた名目・金額・日付を、言われた順番どおりに並べてください。次の入金は保留にしてかまいません。
相手に確かめたいのですが、聞いてよいでしょうか。
聞くかどうかはご自身で決めてかまいません。ただし、聞く前に画面とURLの保存を済ませておいてください。確認を伝えたあとにサイトや連絡先が変わり、同じ画面を開けなくなることがあります。
まとめ
共同運営を続けるかどうかは、立て替えたお金の行き先を確かめてから決めて間に合います。
- 相手の人柄と、お金の流れは分けて書き出す。
- 案内されたサイトは、ブランド名で自分で検索して公式サイトと突き合わせる。
- 仕入れ代金の立替条件が書面にあるかを探す。
- 画面の売上と、口座に入った金額を別々に記録する。
- 出金を申し込んだときに求められた名目を、順番どおりに並べる。
やり取りの画面と入金の記録がそろっていれば、名目の変化から一緒に整理できます。
立て替えた金額と出金の記録から、整理できる範囲をご案内します。




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