
詐欺の被害に気づいたあと、「どこに相談すればいいのか分からない」という状態で検索する方は少なくありません。警察なのか、弁護士なのか、金融機関なのか、それともサイトの運営元なのか。相談先の名前は思い浮かんでも、そこで何ができるのかが分からないと、動き出しにくいものです。
この記事は、どこか1か所を「一番よい相談先」として選ぶための記事ではありません。
相談先ごとに扱える範囲が違うため、いま何を確認したいのかによって持ち込む相手が変わります。支払方法によっても、確認できることは変わります。
内容ごとに確認できること・できないことを整理し、支払方法別の確認、相談の前に準備しておく記録、相談先を選ぶときの確認点までをまとめます。暗号資産(仮想通貨)で送金した場合も扱います。
DataProは、暗号資産(仮想通貨)や投資サイトのトラブルに限らず、SNS投資詐欺やロマンス詐欺、副業詐欺など、オンライン上の詐欺被害全般のご相談を受け付けています。
相談先を決めかねている段階でも、状況の整理からご相談いただけます。
詐欺被害の相談先が決められないときに、先に整理すること
相談先を選ぶ前に、手元の情報を次の4点に分けて書き出してください。ここが決まると、どこへ持ち込めばよいかが見えてきます。
- いつ、いくらを渡したか(複数回に分かれている場合はすべて)。
- どの方法で渡したか(銀行振込、クレジットカード、暗号資産の送金、電子マネーなど)。
- 誰・どのサイトへ渡したか(相手の名前やアカウント、サイトのURL)。
- 手元にどの記録が残っているか(明細、画面、チャットの履歴)。
この4点は、どの相談先でも最初に確認される内容です。
まだ整理できていない場合や、そもそも詐欺かどうか判断できていない場合は詐欺被害に遭ったかもしれないときに確認することを先にご覧ください。
今日のうちに止める・保存する行動については詐欺に気づいた直後にすべきことにまとめています。
あわせて、いま確認したいことを1つ選んでおくと、相談の入口が決まります。多くの場合、次のどれかに当てはまります。
- 送金や支払いを止めたい(まだ引き落としや送金が完了していない場合を含む)。
- 相手やサイトが何者なのかを調べたい。
- 渡したお金がどこへ移動したのかを整理したい。
- 相手への請求や交渉など、法的な手段を検討したい。
- 犯罪被害として届け出たい。
国民生活センターには暗号資産に関する相談が寄せられており、警察庁もSNSをきっかけとした投資詐欺の手口を公表しています。似た被害が繰り返し起きているため、状況を言葉にできれば相談は進めやすくなります。
相談先を決められないときも、今の状況と送金の経路を一緒に整理するところから始められます。

相談無料・24時間365日受付
相談したい内容ごとに、確認できることを比較する

相談したい内容ごとに、主に確認する相手と、そこで確認できる内容、事前に用意しておく情報を並べると次のようになります。順位や成功率を比べるための表ではありません。
| 確認したいこと | 主に確認する相手・機関の種類 | 確認できる内容 | 事前に準備する情報 |
|---|---|---|---|
| 送金を止めたい | 金融機関・カード会社・取引所 | 取引の記録と手続きの有無 | 日時・金額・送金先 |
| 相手やサイトを調べたい | 公表されている登録・警告の情報 | 登録の有無とサイトの記載 | URL・運営者の表示 |
| 資金の移動を整理したい | 取引所・調査会社 | 送金履歴と移動先の範囲 | TXID・送金先アドレス |
| 法的な手段を検討したい | 弁護士 | 取れる手段と見通しの説明 | 契約内容・やり取り |
| 被害を届け出たい | 警察 | 届け出に関する取り扱い | 時系列メモ・相手の情報 |
1か所で全部が片付くことはほとんどありません。たとえば、振込先の金融機関へ連絡しながら、並行して送金記録を整理する、というように複数の確認が同時に必要になります。
「どこが一番よいか」ではなく、「いま確認したいことは何か」から選ぶと、相談の順番が決めやすくなります。
送金や支払いを止めたいとき、支払方法ごとに確認すること
支払いに使った方法によって、確認できる相手と残っている記録が変わります。まず、自分の支払方法に当てはまる行を確認してください。
| 支払方法 | 手元に残る記録 | 記録を確認できる相手 |
|---|---|---|
| 銀行振込 | 振込明細、通帳の記帳、振込先の口座名義 | 取引している金融機関 |
| クレジットカード | 利用明細の加盟店名・決済日・金額 | カード会社 |
| 暗号資産の送金 | 取引履歴、送金先アドレス、TXID | 購入した取引所・ウォレットの履歴画面 |
銀行振込で支払った場合
振込日時・金額・振込先の金融機関と口座名義を手元にそろえたうえで、自分が取引している金融機関へ状況を伝えます。振り込め詐欺救済法は、預金口座等への振込みを利用して行われた詐欺等の犯罪行為により被害を受けた方の財産的被害の迅速な回復等に資することを目的とした法律で、預金保険機構は同法に基づく公告をホームページで行っています。公告では、振り込んだ口座について手続がなされているか、どこまで進んでいるか、口座の残高、申請期間を確認できると案内されています。
ただし、手続きが行われるかどうか、また何がどこまで戻るかは、口座の状況によって異なります。結果を前提にせず、まず記録をそろえてください。
クレジットカードで支払った場合
利用明細に表示された加盟店名、決済日、金額、通貨を確認します。日本クレジット協会は、不正利用への対策の一つとして「カード利用明細を確認する」ことを挙げています。明細の内容と、決済に至った経緯(どの画面で、何を申し込んだか)を説明できるようにしたうえで、カード会社へ利用の状況を確認してください。取り扱いはカード会社の判断になります。
暗号資産で送金した場合
暗号資産を送った場合は、購入した取引所、送金日時、銘柄と数量、送金先アドレス、トランザクションID(TXID)が確認の出発点になります。取引所やウォレットの履歴画面から確認できます。
取引所側で出金できない状態が続いている場合は仮想通貨が出金できないときの確認ポイント、FXやバイナリーオプションの口座で出金を断られている場合はFX・バイナリーオプションで出金できないときの確認で、原因の切り分け方を説明しています。
どの支払方法でも、出金や返金を理由に新たな入金を求められている場合は、支払う前に記録を整理してください。
相手やサイトの情報を調べたいとき
相手やサイトの情報は、公表されている情報から自分で確認できる部分があります。金融庁は、無登録で金融商品取引業を行っているとして警告書の発出を行った者の名称等を公表しています。
ただし、掲載されているのは警告書の発出時点で無登録営業が確認できた者に限られ、掲載されていない者でも無登録営業に該当する行為を行っていることがあり得ると注記されています。
- 掲載がないことは、その業者が安全であることの根拠にはなりません。
- 掲載されている名称や所在地は、現時点のものでない場合があるとされています。
- 名称が似ているだけで同じ業者だと判断しないでください。
- 確認した日付を記録しておくと、あとで状況が変わったときに比較できます。
サイトそのものについては、次の3点を画面ごと保存しておくと、あとから照合できます。
- 運営者の表示(会社名、所在地、代表者名の記載があるか)。
- 利用規約や出金条件のページ(出金の制限がどう書かれているか)。
- 連絡先(サイト上の問い合わせ手段か、個人のチャットだけか)。
サイトの記載内容(運営者の表示、利用規約、連絡先)は、画面を保存しておけば後から確認できます。DataProでは、調査した個別のサイトについて確認できた内容を詐欺サイト情報として公開しています。
取引履歴や資金の移動を整理したいとき
「渡したお金がどこへ行ったのか」を整理したい場合は、記録の種類によって確認できる範囲が変わります。
- 銀行振込なら、振込日時・金額・振込先の名義と金融機関。
- クレジットカードなら、明細の加盟店名・決済日・金額。
- 暗号資産なら、TXIDと送金先アドレス、取引所の取引履歴。
一方で、記録があっても確認できないことがあります。
- 送金先の口座やアドレスを使っている人が誰かを、記録だけで特定することはできません。
- 移動した資金が現在どこにあるかを、常に最後まで追えるとは限りません。
- 確認できた内容が、そのまま返金や回収につながるわけではありません。
暗号資産の送金は記録が公開されているため、送金先のアドレスから資金がどこへ移動したかを確認できる場合があります。一方で、移動の先で確認が止まることもあり、確認できる範囲には限りがあります。確認できたとしても、それは資金が戻ることを意味しません。
法的な請求・交渉や、犯罪被害の届け出を検討しているとき
法的な請求や交渉を検討する段階では、弁護士が相談先になります。
日本弁護士連合会は、弁護士は日常生活上のトラブルから企業法務、刑事事件にいたるまであらゆる分野の問題に対応し、どの段階でも、どんな内容でも相談できると案内しています。取れる手段があるか、費用はどうなるかを聞いたうえで、依頼するかどうかを判断してください。
被害を犯罪として届け出たい場合は警察が相談先になります。届け出の取り扱いは、被害の内容や証拠の状況によって異なります。いずれの場合も、時系列のメモと送金の記録がそろっているほど説明が短く済みます。
消費生活に関する相談では、消費生活センター等が、商品やサービスなど消費生活全般に関する苦情や問い合わせについて、専門の相談員が公正な立場で処理に当たっていると国民生活センターが説明しています。契約や購入をめぐるトラブルが絡む場合の相談先として知られています。
どの相談先も、結果を約束するものではありません。扱える範囲が違うため、確認したい内容に合わせて選んでください。
相談の前に準備しておく情報と記録

相談の前に、次の6点をそろえておくと説明が早く進みます。
- 相手とのやり取りの履歴(削除せずそのまま保存)。
- サイトのURLと、表示された画面。
- 支払い・振込・送金の記録。
- 送金先の口座名義またはウォレットアドレス。
- 出金や返金を断られた画面。
- 時系列のメモ(いつ、誰から、何を言われたか)。
秘密鍵やシードフレーズ、口座やアカウントのパスワードは、相談のために渡す必要はありません。これらを求める相手には応じないでください。
サイトのURL、出金や送金の画面、振込やカードの明細など、手元にある記録はそのままお送りいただけます。




相談無料・24時間365日受付
相談先を選ぶときに確認したいこと
相談を有料で請け負う相手に依頼する場合は、依頼の前に次の点を確認してください。
- 費用の内訳(何にいくらかかるか、追加の費用が発生する条件)。
- できることとできないことを、依頼前に説明しているか。
- 回収や返金を確約していないか。
- 所在地や連絡手段が確認できるか。
金融庁は、被害回復を持ちかけて別の商品の購入などを求める二次被害の手口について注意を呼びかけています。
また、金融庁の職員が金融商品の取引の勧誘を行ったり、被害の調査などを行ったりすることはないとしています。公的機関の名前を出して連絡してくる相手には、特に注意してください。
DataProに相談できること・できないこと
DataProは、調査・分析・資金追跡を行う立場から、次の内容をお手伝いできます。
- 状況の整理(いつ・いくら・どの方法で・誰へ渡したかの時系列化)。
- サイトや業者の情報の確認(公表されている情報と、サイトの記載内容)。
- 暗号資産の取引記録の確認(TXIDや送金先アドレスの読み取り)。
- 資金の移動を確認するための情報整理。
- 相談時に必要な証拠や記録の整理。
- 次に確認すべき事項の案内。
一方で、次の内容は行っていません。
- 法律相談や、相手への返金請求・代理交渉は行いません。
- 捜査や、犯人を断定することはできません。
- 資金の回収や、口座の凍結、カード決済の取消しをお約束することはできません。
できることとできないことを先にお伝えしたうえで、確認できる範囲をご説明します。
詐欺被害の相談先に関するよくある質問
詐欺被害はどこに相談すればいいですか。
相談先は被害の名前ではなく、いま確認したいことで変わります。支払いを止めたいのか、相手やサイトを調べたいのか、資金の移動を整理したいのか、法的な手段を検討したいのか、被害を届け出たいのかによって、話を持ち込む相手が変わります。複数の相手に確認が必要になることもあります。
警察に相談すれば、お金は戻りますか。
被害の届け出と、支払ったお金が戻るかどうかは別の手続きです。届け出をしたからといって返金が決まるわけではありません。届け出の内容を説明できるよう、時系列のメモと送金の記録を先に整理しておくことをおすすめします。
弁護士に相談したほうがよいのはどんなときですか。
相手への請求や交渉、契約の取り扱いなど、法的な手段を検討する段階です。日本弁護士連合会は、弁護士は日常生活上のトラブルから刑事事件まであらゆる分野の問題に対応し、どの段階でも相談できると案内しています。依頼するかどうかは、費用と、できること・できないことの説明を聞いてから判断してください。
無料で相談できるところはありますか。
公的な機関には、費用をかけずに相談を受け付けているところがあります。名称や受け付けの方法は各機関の公式サイトで確認してください。なお、費用が無料であることと、被害金が戻ることは別の話です。
相談する前に、何を準備しておけばよいですか。
相手とのやり取りの履歴、サイトのURLと画面、支払いや送金の記録、送金先の情報、断られた画面、時系列のメモの6点です。準備できているほど、どの相談先でも状況を短く説明でき、確認できる範囲が広がります。
「お金を取り戻せる」と連絡してきた業者に相談してもよいですか。
依頼する前に、費用の内訳と、その費用で何をするのかの説明を確認してください。金融庁は、被害回復を持ちかけて別の商品の購入などを求める二次被害の手口に注意を呼びかけています。回収を確約する説明には応じず、受け取った連絡そのものも記録として残してください。
まとめ
詐欺被害の相談先は、次の順番で考えると決めやすくなります。
- いつ・いくら・どの方法で・誰へ渡したかを書き出す。
- いま確認したいことを1つ選ぶ(止めたい/調べたい/整理したい/法的手段/届け出)。
- 支払方法ごとに、確認できる相手と残っている記録を確かめる。
- 相談の前に、やり取りと記録の6点をそろえる。
- 有料で依頼する場合は、費用と、できること・できないことの説明を確認する。
相談先によって扱える範囲は違い、どの相談先も結果を約束するものではありません。確認できたことと確認できなかったことを分けて記録しながら進めてください。
整理した記録をもとに、確認できる範囲を知りたい方はご相談ください。




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