
「上場前の株を特別に回せる」「この社債は利回りが高い」「今だけ募集しているファンドがある」と勧められている。相手の説明を聞くほど、断る理由が見つからなくなってくる。未公開株や社債、ファンドの勧誘について調べている方は、入金するかどうかを迷っている段階にいることが多いと思います。
勧められている商品そのものの良し悪しを、外から判断することはできません。確かめられるのは、相手が登録を受けているか、入金先がどこか、説明がどこに書かれているかです。
この記事では、公的機関が示している勧誘例、相手の登録の確認、入金先と支払い方法の見方、「後で高く買い取る」と言われた場合の考え方、すでに払ってしまった場合に残す記録を整理します。
DataProは、暗号資産(仮想通貨)や投資サイトのトラブルに限らず、SNS投資詐欺やロマンス詐欺、副業詐欺など、オンライン上の詐欺被害全般のご相談を受け付けています。まだ入金していない段階でも、ご相談いただけます。
未公開株・社債・ファンドの勧誘で出てくる言葉

未公開株や社債、ファンドの勧誘では、決まった言い回しが出てきます。まず、その言葉が公的機関の注意喚起に出ているかどうかを確かめてください。
| 勧誘で出てくる説明 | 公的機関が示していること | 手元で確かめること |
|---|---|---|
| 「上場確実」「必ず儲かる」「元本も保証」 | 金融庁が勧誘例として示している | 同じ言葉が書面にもあるか |
| 後で高く買い取るという申出 | 同庁が勧誘例の一つとして示している | 買い取る相手と条件 |
| 現金を郵便や宅配便で送るよう求める | 同庁が勧誘例として示している | 送付先と受取人の名義 |
| 金融庁など公的機関の職員を名乗る | 同庁が勧誘例として示している | 名乗った所属と連絡方法 |
金融庁は、FX取引やバイナリーオプション取引、暗号資産に関する取引や未公開株取引等について、無登録業者が関与する詐欺的なものが多くみられるとしています。
言葉が当てはまるかどうかは、その場で確かめられます。当てはまる場合は、入金の前に手を止める理由になります。
ただし、言葉が当てはまらないからといって安全だと決まるわけではありません。次の章から、相手と入金先を順に確かめます。
株の勧誘全般については、株の投資詐欺の手口|銘柄推奨や「今しか買えない」株の勧誘で確認することに、誘い文句・相手・入金先・取引画面の4点でみる手順をまとめています。
勧誘の内容や相手の情報を、書面と画面をもとに一緒に整理できます。

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相手が登録を受けているかを確かめる
次に、勧めてきた相手が登録を受けているかを確かめます。
金融庁は、日本の居住者を相手に株取引やFX取引、暗号資産取引などを行う者は、日本の法令に基づき登録を受ける必要があると説明しています。業者の所在地が海外であっても、日本の居住者を相手方として金融商品取引行為を業として行う場合は日本での登録が必要で、まず相手方業者の登録を確認するよう案内しています。
- 相手が名乗っている会社名を、そのまま書き写す。
- 金融庁が公表している登録業者の一覧で、その名称を探す。
- 無登録で警告を受けた者の名称の一覧も、あわせて見る。
- 名称が似ているだけの別会社でないかを、所在地や登録番号で確かめる。
金融庁は、登録業者の名を騙る無登録業者もあると注意を促しています。一覧で名前が見つかったときも、連絡先や所在地が相手の説明と一致しているかまで確かめてください。
一覧で名前が見つからなかった場合も、それだけで違法だと決まるわけではありません。確かめられたのは「一覧に無かった」という事実です。その事実を、確認した日付とあわせて記録に残してください。
登録にあたっては、虚偽表示や誇大広告の禁止、預かった資産の分別管理、トラブル時の対応窓口の設置などの態勢整備が求められると同庁は説明しています。無登録業者については、投資者等の保護のための態勢が確保されているか当局では確認できないとしています。一覧の見方は、金融庁の登録業者か確認する方法|無登録業者の警告一覧の見方で扱っています。
入金先と支払い方法を確かめる
入金の話が出たら、どこへ、どの方法で払うことになるのかを確かめます。
| 確かめる点 | 見るところ |
|---|---|
| 入金先の名義 | 会社名義か、個人名義か |
| 支払いの方法 | 銀行振込か、現金の送付か、暗号資産か |
| 請求の根拠 | 契約書や目論見書のどこに書かれているか |
| 入金の期限 | いつまでに、と急がされていないか |
国民生活センターは、通常の株やFX等の取引で個人名義の銀行口座に振り込ませることはないとしています。入金先が個人名義だった場合は、その時点で止めてください。
金融庁は、現金を郵便や宅配便で送るよう求める手口も示しています。現金の送付を求められたら、応じる前に記録を残してください。
個人名義の口座を指定されたときの確認点は、個人名義の口座へ振り込むよう指示されたとき|振込前に確認することで詳しく扱っています。
「上場したら高く買い取る」と言われたとき
「上場したら高く買い取る」「別の会社が買い取りたがっている」という説明が出てくることがあります。
金融庁は、後で高く買い取るという申出を、未公開株やファンド等の勧誘例の一つとして示しています。買い取りの話が出た時点で、勧誘とは別の相手から連絡が来ていないかも確かめてください。
- 買い取りを持ちかけてきた相手が、勧誘してきた相手と同じか別か。
- 買い取りの条件が、書面のどこに書かれているか。
- 買い取りの前に、手数料や保証金の支払いを求められていないか。
- 上場の予定が、確定した事実として話されていないか。
買い取りの話が勧誘とは別の相手から来た場合は、その相手の会社名と連絡先も、別に書き留めてください。あとで経緯を並べるときに、どちらから何を言われたのかを区別できます。
上場の時期や可否は、外からは確かめられません。予定として話されていることを、決まった事実として受け取らないでください。
公的機関の名前が出てきたとき
勧誘の途中や、支払いのあとに、公的機関の名前が出てくることがあります。
金融庁は、金融庁などの職員が金融商品の取引の勧誘を行ったり、被害の調査などを行ったりすることはないと案内しています。
- 名乗った所属・部署名・氏名。
- 連絡が来た日時と、表示された電話番号やアドレス。
- 何を求められたか(手続の案内か、確認か、支払いか)。
- 折り返しの連絡先を指定されたかどうか。
その場で手続を進めず、まず書き留めてください。名乗った所属と氏名が残っていれば、あとから照会するときの手がかりになります。
勧誘の内容を書き出して残す

確かめた結果は、次の形で残しておきましょう。
- 勧誘してきた相手の会社名・担当者名・連絡手段。
- 勧められた商品の名称と、説明された利回りや条件。
- 受け取った書面・メール・メッセージの画面。
- 指定された入金先(名義・金融機関・支払い方法)。
- 登録の一覧で確認した結果と、確認した日付。
- 確かめられた点と、確かめられなかった点のメモ。
国民生活センターは、何に、どういった投資を行うのかなど基本的な内容が理解できないまま投資を行うことはやめるよう助言しています。書き出してみて説明できない項目が残る場合は、その項目自体が判断材料になります。
書き出す作業そのものが、判断の材料になります。説明を聞いているときには気づかなかった抜けが、並べてみると見つかることがあります。
勧誘してきたサイトや会社そのものの調べ方は、投資サイトが詐欺か調べる手順|運営会社・登録・連絡先の確認方法に運営会社・登録・連絡先の確認手順をまとめています。
書き出した内容と受け取った書面がそろっていれば、そのままお送りいただけます。




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すでに払ってしまった場合
すでに払ってしまった場合も、確かめられることがあります。
金融庁は、入金後に連絡が取れなくなる手口を示しています。国民生活センターは、いったん振り込んでしまうと被害回復には困難が伴うとしたうえで、被害回復をうたった二次被害にあう可能性もあるとしています。
- 振込や送付の明細(日付・金額・入金先)を一覧にする。
- やり取りの画面を、消さずにそのまま保存する。
- 受け取った書面が手元にあれば、写しを残す。
- 新たに届いた「返金できる」という連絡も、応じる前に保存する。
払ったあとに届く連絡ほど、応じる前に記録を残してください。金融庁は、被害回復を持ちかけて別商品の購入を求める二次被害の手口も示しています。
連絡が取れなくなった日と、その直前のやり取りも残しておきましょう。いつまで連絡が続いていたのかは、経緯を説明するときの手がかりになります。
DataProに相談できること・できないこと
DataProは、調査・分析・資金追跡を行う立場から、次の内容をお手伝いできます。
- 勧誘の内容と、示された条件の整理。
- 相手が名乗っている会社名や連絡先の確認。
- 入金の記録を時系列に並べ、名目の変化を確かめること。
- 暗号資産で入金している場合の、送金記録をもとにした資金の移動の確認。
一方で、法律相談、相手への返金請求や代理交渉、捜査、特定の商品や業者について違法かどうかの結論を出すことは行いません。投資の判断についての助言もしません。資金の回収や口座の凍結をお約束することもできません。確認できる範囲とできない範囲は、ご相談の最初にご説明します。
未公開株の勧誘についてよくある質問
未公開株の勧誘は、すべて詐欺にあたりますか。
この記事で個別の勧誘を判断することはできません。金融庁は、未公開株取引等について無登録業者が関与する詐欺的なものが多くみられるとしたうえで、まず相手方業者の登録を確認するよう案内しています。確かめられるのは、相手の登録の有無と入金先です。
知り合いから紹介されました。
紹介した人が信用できることと、勧められている商品の中身は別に確かめてください。国民生活センターは、何にどういった投資を行うのかなど基本的な内容が理解できないまま投資を行うことはやめるよう助言しています。
登録の一覧に名前がありました。安全ですか。
一覧にあることは、その商品が安全だという意味ではありません。金融庁は、登録業者の名を騙る無登録業者もあると注意を促しています。連絡先や所在地が相手の説明と一致しているかまで確かめてください。
現金を送るよう言われています。
応じる前に、求められた金額と送り先、そのやり取りを保存してください。金融庁は、郵便や宅配便等での現金送付の要求を、未公開株やファンド等の勧誘例として示しています。
金融庁の職員だという人から電話がありました。
金融庁は、同庁などの職員が金融商品の取引の勧誘を行ったり、被害の調査などを行ったりすることはないと案内しています。名乗った所属と氏名、連絡先を書き留めたうえで、その場で手続を進めないでください。
すでに払ってしまいました。
振込や送付の明細、やり取りの画面、受け取った書面を残してください。国民生活センターは、いったん振り込んでしまうと被害回復には困難が伴い、被害回復をうたった二次被害にあう可能性もあるとしています。
まとめ
未公開株や社債、ファンドを勧められたときは、商品の良し悪しではなく、相手と入金先と説明の所在を確かめるところから始めます。
- 「上場確実」「必ず儲かる」「元本も保証」は、金融庁が示している勧誘例。
- 日本の居住者を相手にする場合は、海外の業者でも日本での登録が必要。
- 通常の株やFX等の取引で、個人名義の口座へ振り込ませることはない。
- 「後で高く買い取る」も、勧誘例として示されている型の一つ。
- 公的機関の職員が取引の勧誘や被害の調査を行うことはない。
勧誘の内容と相手の情報がそろっていれば、確認できる範囲を一緒に整理できます。
相手や入金先について、確認できる範囲を知りたい方はご相談ください。




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