
SNSで知り合った人や、広告で見た投資グループから投資を勧められた。話を聞くと確かにもうかりそうに思えるけれど、どこか引っかかる。投資詐欺の見分け方を調べている方の多くは、まだお金を払う前か、払い始めたばかりの段階にいます。
投資詐欺かどうかは、1つの点だけでは見分けにくいものです。
ただ、「どう勧められたか(勧誘)」「どこで取引するのか(サイト・アプリ)」「どこへ、どうやって払うよう言われたか(送金指示)」の3つを順に確かめると、判断の材料がそろってきます。
この記事では、この3つの軸ごとに、公的機関が注意を呼びかけているサインと、入金する前に確認する順番を整理します。
投資詐欺の手口の型そのものは別の記事で解説をし、ここでは「今勧められている投資を、どこで見分けるか」に絞ってまとめています。
DataProは、暗号資産(仮想通貨)や投資サイトのトラブルに限らず、SNS投資詐欺やロマンス詐欺、副業詐欺など、オンライン上の詐欺被害全般のご相談を受け付けています。入金する前の確認の段階から、ご相談いただけます。
投資詐欺は「勧誘・サイト・送金指示」の3つで見分ける

3つの軸ごとに、見るところと、注意したいサインを整理すると次のようになります。
| 軸 | 見るところ | 注意したいサイン |
|---|---|---|
| 勧誘 | 誘い文句と、勧めてくる相手 | 「必ずもうかる」「元本保証」「あなただけ」、著名人やその関係者を名乗る |
| サイト・アプリ | 金融庁の登録と、運営会社の情報 | 登録が確認できない、運営会社の情報が書かれていない、名前を検索しても出てこない |
| 送金指示 | 払う先と、払う方法 | 個人名義の口座、振り込むたびに違う口座、指定された先への暗号資産の送金 |
3つのうち1つにサインがあれば、入金する前に立ち止まる理由になります。複数の軸にサインが重なっている場合は、なおさらです。
反対に、3つとも確認できたからといって、必ず安全だとは言い切れない点にも注意が必要です。確認は、入金を決めるためではなく、入金を止めるべき理由がないかを探すために行います。
投資詐欺の手口の型ごとの流れは、投資詐欺の手口と種類で整理しています。
勧誘で見分ける:誘い文句と、勧めてくる相手
誘い文句
金融庁は、未公開株やファンドなどの勧誘例として、「上場確実」「必ず儲かる」「元本も保証」といった言葉を示しています。警察庁は、「必ずもうかる」「あなただけ」といった誘いはまず疑うよう呼びかけています。
- 利益が確実だと言い切る。
- 元本が保証されていると言う。
- 「今だけ」「あなただけ」と、急がせたり特別扱いしたりする。
- 仕組みを聞いても、はっきりした説明がない。
勧めてくる相手
警察庁は、著名人が無料で投資教室を開いたり、確実に利益が出る投資話を無料で教えたりすることは基本的にないとして、本人の公式アカウントからの発信を確認するよう呼びかけています。
国民生活センターも、SNS上には著名人の画像などを無断で掲載しているものがあるとして、著名人の公式サイトや公式アカウントで注意喚起が出ていないかを確認するよう助言しています。
金融庁に寄せられた情報の例には、「講師」「先生」「アシスタント」が登場して投資を指南し、グループチャット内にいわゆるサクラがいるものがあります。
勧誘が始まった場所
金融庁は、SNS上の偽の広告やURLをクリックすると、LINEのグループへの参加や詐欺サイトへのアクセスに誘導されることがあり、個人のLINEアカウントやSMSに突然連絡が来るケースもあると説明しています。多くの場合、個人間のやり取りに持ち込もうとしてくるとしています。グループ内では、複数のアカウントを使って投資が成功しているそぶりを見せ、参加者が投資をしたくなるように仕向けるケースもあります。
国民生活センターが2026年9月に公表した相談事例には、著名人の関係者を名乗る人物の指示で投資をしたものが複数あります。SNSで知り合った相手や、グループ内の「先生」から勧められている場合は、LINEの投資グループに招待されたときの確認点も参考にしてください。
サイト・アプリで見分ける:登録と運営情報
取引するサイトやアプリが、登録を受けた事業者のものかを確かめます。金融庁は、日本の居住者を相手に株取引やFX取引、暗号資産取引などを行う者は、日本の法令に基づき登録を受ける必要があると説明しています。業者の所在地が海外であっても、日本の居住者を相手に業として行う場合は登録が必要です。
- 金融庁の登録業者の一覧に、業者の名前があるか。
- 運営会社の名前・所在地・連絡先がサイトに書かれているか。
- 勧められた暗号資産や投資アプリの名前を検索して、実在するか。
- 登録業者と似た名前や、登録業者の名をかたっていないか。
警察庁は、実在しない架空の暗号資産への投資を勧められたり、偽物の投資アプリをインストールさせられたりするケースがあるとして、名前を検索するよう呼びかけています。金融庁は、登録業者の名をかたる無登録業者もあると注意を促しています。国民生活センターが紹介している相談事例には、利用していたアプリに運営業者の情報が書かれていなかったものがあります。
サイトやアプリの中に、運営している会社の名前や所在地を見つけられない場合は、それ自体が確認できなかった点として記録しておきましょう。
運営会社や登録の確かめ方の手順は、投資サイトが詐欺か調べる手順にまとめています。
送金指示で見分ける:どこへ、どうやって払うか
お金を払う段階の指示にも、見分けるポイントがあります。
| 送金指示 | 公的機関の説明 |
|---|---|
| 個人名義の口座への振込 | 金融庁は、入金の際に証券会社が個人名義の銀行口座を指定することはないと案内している |
| 振り込むたびに違う口座 | 警察庁は、振込のたびに異なる口座を指定されるケースに注意を促している |
| 指定された先への暗号資産の送金 | 国民生活センターの相談事例に、指定された先へ暗号資産を送り、出金時に支払いを求められたものがある |
| 電子マネーのコード番号を送る | 警察庁が紹介する事例に、電子マネーカードを購入してコード番号を送信させられたものがある |
国民生活センターは、通常の株やFXなどの取引で、個人名義の銀行口座に振り込ませることはないとしています。個人名義の口座を指定されたときの確認点は、個人名義の口座へ振り込むよう指示されたときに確認することで詳しく扱っています。
暗号資産の投資では、国内の取引所で暗号資産を買い、相手が指定した先へ送るよう指示されることがあります。
国民生活センターは、SNSで知り合った相手に勧められ、国内の取引所のアプリで購入した暗号資産を指定された投資サイトへ送り、出金できたので信用したものの、その後の出金時に税金の名目で支払いを求められた相談事例を紹介しています。
送り先のアドレスが誰のものかは、公開されている記録からは分かりません。確かめられるのは、送り先が自分の取引所の口座ではなく、相手に指定された先である、という点です。
送金の指示を受けたら、払う前に次の点を控えておきましょう。あとで確かめるときや、相談するときの手がかりになります。
- 指示を受けた日時と、指示してきた相手の表示名。
- 振込先の口座名義・金融機関名、または送金先のアドレス。
- 支払う理由として説明された名目と金額。
振込先が個人名義の場合は、その時点で入金を止めてください。会社名義でも、取引すると説明された会社と違う名義や、説明と異なる名義になっている場合は、追加の送金をする前に、誰あての口座なのかを確かめてください。
1つの確認だけで「安全」と判断しない
3つの軸の確認は、どれか1つで「安全」と言い切れるものではありません。次のような限界があることを知っておきましょう。
- 登録業者の一覧に名前があっても、その業者の名をかたる別のサイトかもしれない。
- 無登録業者の警告一覧に名前がなくても、無登録で営業していることがあり得る。
- 少額の出金ができても、あとで大きな入金を勧められることがある。
金融庁は、警告書を発出した無登録業者の名称を公表していますが、掲載されていない者でも無登録営業に当たる行為を行っていることがあり得ると注記しています。金融庁に寄せられた情報の例には、しばらくは利益が出て出金もできるかのように装いながら、追加で高額な入金をさせるものがあります。
国民生活センターが紹介している相談事例にも、少額を出金できたことで信用し、その後に大きな金額を送ってしまったものがあります。少額の出金ができたことは、安全の根拠にはなりません。
「確認できた点」と「確認できなかった点」を分けて書き出すと、自分がどこまで分かっていて、どこが分からないのかが見えてきます。
たとえば、次のような形でメモにまとめます。空欄が残っても構いません。空欄が多いほど、入金する前に確かめることが残っているということです。
| 確認したこと | 確認できた点 | 確認できなかった点 |
|---|---|---|
| 勧誘 | 誘い文句の画面を保存した | 勧めてきた人物が本当に名乗ったとおりの人か |
| サイト・アプリ | サイトのURLを控えた | 金融庁の登録業者の一覧に同じ名前があるか |
| 送金指示 | 振込先の口座名義を控えた | 口座名義が、取引する会社の名前と一致するか |
入金する前に、立ち止まって確認する順番
入金を求められたら、払う前に次の順番で確認してください。
- 勧誘・サイト・送金指示の3つを、確認できた点と確認できなかった点に分けて書き出す。
- 仕組みを説明できるか確かめる:何に、どういった投資をするのか、自分の言葉で言えるか。
国民生活センターは、何に、どういった投資を行うのかなど、基本的な内容が理解できないまま投資を行うことはやめるよう助言しています。
1つでも引っかかる点があれば、その時点で入金を止め、やり取りの画面を保存してください。
入金を断りにくいと感じたときは、「確認してから返事をします」とだけ伝えて、その場で決めないことも1つの方法です。
相手が急がせたり、断ると損をするかのように言ってきたりする場合も、その言葉自体を記録しておきましょう。
3つの軸で書き出してみても判断がつかないときは、入金する前に一緒に確認できます。

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すでに入金している場合に残しておく記録

すでに入金している場合は、次の6点を残しておきましょう。
- 勧誘してきた相手のアカウントとプロフィール。
- 誘い文句が書かれたやり取りの画面。
- 取引しているサイトやアプリのURLと画面。
- 入金を指示されたやり取りの画面。
- 振込明細や暗号資産の送金履歴。
- 残高や出金を断られた画面。
国民生活センターは、いったん振り込んでしまうと被害回復には困難が伴うとしたうえで、不信感や疑問を抱いたらすぐに相談するよう呼びかけています。被害回復をうたう二次被害にあう可能性もあるとしています。記録は、相手のアカウントやサイトが消える前に保存してください。
入金が複数回ある場合は、日付・金額・振込先や送金先・名目を1行ずつ一覧にしておきます。途中で振込先が変わった場合や、名目が「投資金」から「手数料」「税金」に変わった場合は、その変化が分かるように残しておきましょう。
やり取りの画面や入金の記録がそろっていれば、そのままお送りいただけます。




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DataProに相談できること・できないこと
DataProは、調査・分析・資金追跡を行う立場から、次の内容をお手伝いできます。
- 勧誘・サイト・送金指示の3つの軸に沿った、確認できた点と確認できなかった点の整理。
- 勧められたサイトやアプリの表示内容の確認。
- すでに暗号資産を送っている場合の、送金記録をもとにした資金の移動の確認。
- 警察や弁護士へ相談するときに必要な記録の整理。
一方で、法律相談、相手への返金請求や代理交渉、捜査、特定の業者について違法かどうかの結論を出すことは行いません。資金の回収や口座の凍結をお約束することもできません。確認できる範囲とできない範囲は、ご相談の最初にご説明します。
投資詐欺の見分け方についてよくある質問
投資詐欺の見分け方で、一番大事なポイントは何ですか。
1つに絞るより、勧誘・サイト・送金指示の3つを順に確かめることが大切です。特に、個人名義の口座への振込を指示された場合は、国民生活センターが通常の取引ではないとしている点なので、入金を止めてください。
金融庁の登録業者なら、安全だと考えてよいですか。
登録の確認は大切ですが、それだけで安全とは言い切れません。登録業者の名をかたる無登録業者もあると金融庁は注意を促しています。サイトのURLや連絡先が、登録業者の公式情報と一致するかも確かめてください。
勧誘してきた相手に、登録を受けているか直接聞いてもいいですか。
聞くこと自体は問題ありませんが、相手の答えだけで判断しないでください。金融庁は、登録業者の名をかたる無登録業者もあると注意を促しています。金融庁が公表している一覧で、自分で確かめてください。
少額なら出金できました。詐欺ではないですか。
少額の出金ができても、あとで大きな入金を勧められることがあります。金融庁に寄せられた情報の例には、しばらくは出金できるかのように装いながら、追加で高額な入金をさせるものがあります。
仮想通貨の投資でも、同じ見分け方が使えますか。
使えます。暗号資産交換業も登録が必要なため、サイトの登録と運営情報を確かめます。勧められた暗号資産やアプリの名前を検索し、指定された先へ送金するよう言われていないかも確認してください。
勧誘してきた人が著名人の関係者だと名乗っています。
著名人の画像などを無断で使った勧誘があります。名乗っている人物や会社の公式サイト・公式アカウントで、投資に関する注意喚起が出ていないかを確かめてください。
まとめ
投資詐欺の見分け方は、1つの確認に頼るのではなく、勧誘・サイト・送金指示の3つを順に確かめることが大切です。
- 勧誘:「必ずもうかる」「元本保証」「あなただけ」などの言葉と、勧めてくる相手を確かめる。
- サイト:金融庁の登録と、運営会社の情報を確かめる。
- 送金指示:個人名義の口座や、毎回違う口座への振込を求められていないか確かめる。
- 1つの確認だけで「安全」と判断しない。
- 引っかかる点があれば入金を止め、画面を保存する。
勧められている投資に少しでも不安があるときは、払う前に3つの軸で書き出してみてください。書き出したメモと画面があれば、相談するときにも状況をそのまま伝えられます。
勧められている投資について、確認できる範囲を知りたい方はご相談ください。




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