
詐欺の被害に遭ったと気づいたとき、まず考えるのは「騙されたお金は取り戻せるのか」ということかもしれません。
取り戻す方法を探して検索すると、「必ず戻る」とうたう広告もあれば、「戻らない」と言い切る情報もあり、何を信じればよいか分からなくなることがあります。
実際には、お金が戻るかどうかは一律には決まりません。
どの方法で支払ったか、支払ってからどれくらい時間がたったか、送金先がどうなっているか、どんな記録が残っているかによって、確認できることが変わります。
この記事では、騙されたお金を取り戻す方法を探す前に整理しておきたい条件を、支払方法、経過時間、送金先、相手との連絡状況、残っている記録の順にまとめます。
※戻る割合や見込みを示す記事ではありません。自分の状況で何を確認できるのかを整理するための記事です。
DataProは、暗号資産(仮想通貨)や投資サイトのトラブルに限らず、SNS投資詐欺やロマンス詐欺、副業詐欺など、オンライン上の詐欺被害全般のご相談を受け付けています。取り戻せるかどうか分からない段階でも、状況の整理からご相談いただけます。
お金を取り戻せるか考える前に、先に止めておくこと
取り戻せるかどうかを考える前に、これ以上お金が出ていかないようにすることが先です。次の3つを押さえてください。
- 追加の支払い・入金・送金を止める(「あと1回払えば戻る」と言われても止める)。
- 相手とのやり取りや支払いの記録を、削除せずに保存する。
- 振込先の金融機関やカード会社など、支払方法に応じた連絡先へ早めに連絡する。
預金保険機構は、振り込め詐欺等の被害にあったら、すぐに警察や振込先の金融機関に連絡・届出し、振り込んだ口座の取引停止を依頼するよう案内しています。今日のうちに止めることと保存することの順番は、詐欺に気づいた直後にすべきことにまとめています。
被害に気づいた直後は、「早く取り戻さなければ」という気持ちから、新たな支払いや、向こうから届いた「取り戻せる」という話に応じてしまいやすい時期でもあります。
支払いを止め、記録を残し、連絡先へ連絡する。この3つが済むまでは、新しい判断をしなくてかまいません。
取り戻せるかどうか分からない段階でも、支払いの状況を一緒に整理するところから始められます。

相談無料・24時間365日受付
取り戻せるかどうかは、何によって変わるのか

お金が戻るかどうかは、次のような条件によって大きく変わります。まずは自分の状況を、この表に当てはめて整理してみてください。
| 整理する条件 | 確認すること | 主な確認先 |
|---|---|---|
| 支払方法 | 振込・カード・暗号資産・電子マネーのどれか | 金融機関・カード会社・取引所 |
| 経過時間 | 支払ってから何日たったか | 振込明細・利用明細の日付 |
| 送金先の状況 | 口座やアドレスに資金が残っているか | 振込先の金融機関・取引記録 |
| 残っている記録 | 明細・画面・やり取りがそろっているか | 手元の記録 |
| 相手との連絡 | 連絡が続いているか、途絶えたか | やり取りの画面 |
| 追加の請求 | 返金や出金の名目で支払いを求められているか | 請求の画面・メッセージ |
これらの条件がそろっていても、お金が戻ると決まるわけではありません。一方で、条件によっては、手続きの対象になるかどうかを確認できる場合があります。以下で、条件ごとに確認できることを説明します。
複数の方法で支払っている場合は、方法ごとに分けて整理してください。たとえば、最初は銀行振込で、途中から暗号資産での送金を求められた、という流れはめずらしくありません。方法ごとに連絡先と残る記録が違うため、分けておくと確認が進めやすくなります。
支払方法ごとに確認できること
支払方法によって、連絡する相手と確認できることが違います。
銀行振込で支払った場合
振込先の金融機関に連絡し、口座の取引停止を依頼します。振り込め詐欺救済法(犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律)は、金融機関が口座を凍結し、預金保険機構の公告を経て、被害者からの支払申請を受け付けて被害回復分配金を支払う手続きを定めています。ただし、分配される額は振込先口座が凍結されたときの残高が上限で、被害額の全額を国や金融機関が補填する制度ではありません。振り込んだ後の手順は振り込んでしまったときに金融機関や警察へ伝えることで詳しく説明しています。
クレジットカードで支払った場合
カード会社に連絡し、利用明細で請求の内容を確認します。国民生活センターは、偽サイトでクレジットカードを使ってしまったときは、すぐにカード会社に連絡するよう案内しています。日本クレジット協会も、不正利用への対策の一つとして利用明細の確認を挙げています。
暗号資産や電子マネーで支払った場合
暗号資産(仮想通貨)で送金した場合は、利用している暗号資産交換業者に連絡し、送金の記録(TXID)と送金先アドレスを残します。日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)は、多くの場合、暗号資産の送金は取り消しできないとしたうえで、状況確認のため交換業者へすぐに連絡するよう案内しています。電子マネーやプリペイドカードの場合は、購入時のレシートとカード番号の控えを残し、発行元に連絡します。
支払いからの経過時間と、送金先の状況
支払ってからの時間は、確認できることに大きく関わります。時間がたつほど、送金先の口座からお金が引き出されたり、別の場所へ移されたりする可能性があるためです。
- 支払った日時と、詐欺に気づいた日時を書き出す。
- 複数回支払っている場合は、回ごとに日時・金額・送金先を一覧にする。
- 振込先の口座やアドレスが、回ごとに同じかどうかを確認する。
預金保険機構は、振り込んだお金が一部引き出されている場合には、振り込め詐欺救済法による分配金は減額されるとしています。同じ口座に複数の被害者がいる場合は、被害額に応じて分けられるため、被害額の全額が戻ってくるとは限らないとも説明しています。
金融機関は、警察や被害者の依頼に基づいて、準備が整った口座から順に預金保険機構へ公告を依頼します。そのため、金融機関へ連絡してから公告されるまでには時間がかかることがあります。公告は月2回、原則として1日と16日に行われていますが、公告を毎回見続けるよりも、公告の対象になるかどうかを含めて振込先の金融機関に問い合わせるほうが効率的だと案内されています。
ただし、時間がたっているからといって、確認する意味がなくなるわけではありません。
預金保険機構のホームページに掲載される公告では、振り込んだ口座について手続きが行われているか、どこまで進んでいるか、申請期間はいつまでかを確認できます。
申請期間を過ぎると、この法律による分配金は受け取れなくなるため、早めに振込先の金融機関へ問い合わせてください。
相手との連絡状況と、追加の請求
相手との連絡がどうなっているかも、整理しておきたい点です。
- 相手と今も連絡が取れているか、途絶えたか(途絶えた日時)。
- 「出金するには税金や手数料が必要」など、追加の支払いを求められていないか。
- 別の会社や専門家を名乗る相手から、「お金を取り戻せる」と連絡が来ていないか。
追加の請求は、「出金手数料」「税金」「保証金」「口座凍結の解除費用」など、名目を変えて何度も続くことがあります。
名目が変わっても、先に支払えばお金が戻るという説明の構造は同じです。請求の日時・名目・金額・支払先を、そのたびに記録しておいてください。
連絡が続いている場合でも、新たな支払いには応じず、やり取りをそのまま保存してください。
追加の請求に応じて支払いを重ねると、失うお金が増えるだけでなく、どの支払いが何のためだったのかも分かりにくくなります。相手に返信や交渉をする必要はありません。
手元に残っている記録を整理する

相談するときに状況を短く説明できるよう、手元の記録を次の6点に分けてそろえます。すべてがそろっていなくても、あるものから整理を始めてください。
- 支払い・振込・送金の明細。
- 送金先の口座名義やアドレス。
- 支払った日時と金額の一覧。
- 相手とのやり取りの画面。
- サイトのURLと表示された画面。
- 追加の請求や断られた画面。
| 記録の種類 | 手に入る場所 | 残し方 |
|---|---|---|
| 振込の明細 | 振込受付書・ネットバンキングの履歴 | 画面を保存・紙は保管 |
| カードの利用明細 | カード会社の会員ページ | 該当月の明細を保存 |
| 暗号資産の送金記録 | 交換業者の取引履歴 | TXIDと送金先アドレスを控える |
| やり取りの画面 | SNS・メール・チャット | 日時と相手の表示名が分かる形で保存 |
JVCEAは、事件性が認められる場合には捜査が行われることがあり、その際には送金履歴等の証拠資料の保存が重要になると説明しています。サイトやアカウントは後から見られなくなることがあるため、確認できるうちに日付が分かる形で保存しておきましょう。
支払いの明細、送金先の情報、やり取りの画面がそろっていれば、そのままお送りいただけます。




相談無料・24時間365日受付
調べられることと、判断できないこと
相談の前に知っておきたいのは、調べたり確認したりできることと、誰にも事前には判断できないことがある、という点です。
| 調べたり確認したりできること | 事前には判断できないこと |
|---|---|
| 振込先の口座が手続きの対象か(金融機関への問い合わせ) | 最終的にいくら戻るか |
| 公告に掲載されているか、申請期間はいつまでか | いつまでに戻るか |
| 暗号資産の送金記録と送金先アドレス | 相手が誰で、資金が今どこにあるか |
| 手元の記録で説明できる範囲 | 相手が返金に応じるかどうか |
預金保険機構は、被害にあった資金が戻ってくるかどうかを知るには、まず振込先の金融機関に問い合わせるよう案内しています。分配金の額は、被害者の申請に基づいて金融機関が決めるとしています。支払申請期間を過ぎた場合でも、加害者に対する民事上の請求などを行うことは可能とされており、その検討は弁護士への相談の領域になります。
弁護士に相談する場合は、依頼する前に、費用の内訳と、どのような手段を取れるのか、取れないのかの説明を聞いてから判断してください。相手が誰か分からない、送金先が海外にある、といった事情によって、取れる手段は変わります。
「戻る割合」や「回収できる見込み」を事前に数字で示すことは、誰にもできません。数字を示して依頼を急がせる説明には注意してください。
「お金を取り戻せる」と持ちかけられたとき
被害に遭った後、「被害金を取り戻せる」「返金の手続きを代行する」と、向こうから連絡が来ることがあります。消費者庁は、見知らぬ業者などから被害回復のためといって金銭を要求されたり、新たな投資を勧められたりした場合は、二次被害のおそれがあると注意を呼びかけています。
被害の内容を知っていることや、公的機関・弁護士を名乗っていることは、相手が信用できる根拠になりません。依頼を決める前に、相手が誰で、何をして、費用がいくらかかるのかを書面で確認してください。
こうした連絡を受けたときに、依頼や支払いをする前に確認することは、返金をうたう業者から連絡が来たときの注意点で整理しています。自分から相談先を探す場合に、相談内容ごとにどこで何を確認できるかは、相談内容ごとに確認できる相談先の違いにまとめています。
DataProに相談できること・できないこと
DataProは、調査・分析・資金追跡を行う立場から、次の内容をお手伝いできます。
- 支払いの日時・金額・送金先を時系列に整理すること。
- 暗号資産で送金している場合の、取引記録(TXID・送金先アドレス)の確認と、資金の移動を確認するための情報整理。
- 相手のサイトや表示されていた情報の確認。
- 金融機関や警察、弁護士へ相談するときに必要な記録の整理。
ご相談の際は、支払いの明細、送金先の情報、やり取りの画面など、手元にあるものをそのままお送りください。記録が足りない場合も、何を探せばよいかを一緒に確認します。
一方で、法律相談、相手への返金請求や代理交渉、捜査、犯人を断定することは行いません。資金の回収や口座の凍結、分配金の受け取りをお約束することもできません。確認できる範囲とできない範囲は、ご相談の最初にご説明します。
騙されたお金に関するよくある質問
騙されたお金は取り戻せますか。
一律には決まりません。支払方法、支払ってからの時間、送金先の口座やアドレスの状況、残っている記録によって、確認できることが変わります。まず追加の支払いを止め、支払方法に応じた連絡先へ連絡してください。
戻る割合や見込みを教えてもらえますか。
事前に数字で示すことはできません。振り込め詐欺救済法の分配金も、振込先口座の残高や被害者の数によって変わり、被害額の全額が戻ってくるとは限らないとされています。見込みの数字を示して依頼を急がせる説明には注意してください。
支払ってから時間がたっています。今から確認する意味はありますか。
確認する意味はあります。振り込んだ口座について手続きが行われているか、申請期間はいつまでかは、預金保険機構の公告や振込先の金融機関への問い合わせで確認できます。記録がそろっていなくても、手元にあるものから始めてください。
暗号資産で送金した場合も、確認できることはありますか。
送金の記録(TXID)と送金先アドレスから、送金の事実や移動の一部を確認できる場合があります。ただし、多くの場合、暗号資産の送金は取り消しできないとされています。利用している交換業者へすぐに連絡し、記録を残してください。
相手と連絡が取れなくなりました。
連絡が途絶えた日時と、最後のやり取りの画面を保存してください。相手と連絡が取れなくても、支払方法に応じた連絡先への連絡や、記録の整理は進められます。
「泣き寝入りするしかない」と感じています。
1人で結論を出す必要はありません。金融機関への問い合わせや、警察・消費生活センター・弁護士への相談など、確認できる先は複数あります。状況を整理したうえで、どこに何を確認するかを決めていきましょう。
まとめ
騙されたお金が戻るかどうかは、一律には決まりません。支払方法、経過時間、送金先の状況、残っている記録によって、確認できることが変わります。
- まず追加の支払いを止め、記録を保存する。
- 支払方法に応じた連絡先(金融機関・カード会社・取引所)へ早めに連絡する。
- 支払った日時・金額・送金先を一覧にする。
- 調べられることと、事前には判断できないことを分けて考える。
- 「取り戻せる」と持ちかける連絡には、依頼や支払いの前に確認する。
取り戻す方法を探して焦るほど、追加の支払いや新たな勧誘に応じてしまいやすくなります。まずは手元の記録をそろえ、状況の整理から始めてください。
整理した記録をもとに、確認できる範囲を知りたい方はご相談ください。




相談無料・24時間365日受付