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詐欺被害の返金をうたう業者に注意|「お金を取り戻せる」という連絡

更新 2026.10.03
「お金を取り戻せる」という連絡を受けたときに依頼する前に確認することを示したアイキャッチ画像

詐欺の被害に遭ったあと、SNSのメッセージやメール、電話、広告などで「被害金を取り戻せます」「返金の手続きを代わりに進めます」という連絡を受けることがあります。

取り返したい気持ちが強いときほど、その話に期待したくなるものです。

ただ、消費者庁は、投資系トラブルに遭った人が被害回復を持ち掛けられ、金銭の支払を求められたという相談が見られるとして、二次被害への注意を呼びかけています。
一方で、調査や法律相談など、被害の後に正規の業務として相談を受け付けている相手もいます。連絡の形だけで、相手を見分けることはできません。

この記事は、返金をうたう業者を「どこなら取り戻せるか」で比べる記事ではありません。

依頼・契約・支払いをする前に、注意して相手と説明の中身を確認するための記事です。
業務範囲と費用の確認、返金を約束する説明の見方、公的機関や弁護士を名乗る連絡への向き合い方、記録の残し方までを整理します。

DataProは、暗号資産(仮想通貨)や投資サイトのトラブルに限らず、SNS投資詐欺やロマンス詐欺、副業詐欺など、オンライン上の詐欺被害全般のご相談を受け付けています。受け取った連絡が信用できるか迷っている段階でも、状況の整理からご相談いただけます。

「取り戻せる」という連絡を受けた直後に、いったん止めること

連絡を受けた時点で、急いで決める必要のあることはほとんどありません。まず次の3つを止めてください。

  • その場で契約しない。
  • 「今日中に」「枠が埋まる」と急がされても、即日で送金しない。
  • 本人確認書類、口座やカードの情報、ウォレットの情報を追加で渡さない。

消費者庁は、投資系トラブルに遭った消費者から、「返金を受けるには、別の投資商品を購入する必要がある」「国の救済制度により返金を受けられる」「返金手続を代行する」などと被害回復を持ち掛けられ、金銭の支払を要求されたという相談が見られると公表しています。
見知らぬ業者などから被害回復のためといって金銭を求められたり、新たな投資を勧められたりした場合は、二次被害のおそれがあるとしています。

止めたうえで、最初の被害の状況がまだ整理できていない場合は、詐欺被害に遭ったかもしれないときに確認することから順に確認してください。最初の被害の記録がそろっているほど、あとから届いた連絡の内容と照らし合わせやすくなります。

契約や送金を決める前に、受け取った連絡の内容と手元の記録を一緒に整理できます。

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連絡の内容を整理して相談する

相手が被害の状況を知っている理由を確認する

「あなたが〇〇で被害に遭ったことを把握しています」と、具体的な内容を添えて連絡が来ることがあります。

被害の内容を知っていると、関係機関や事情を知る立場の人だと感じやすいものです。

しかし、被害を知っていることは、相手が信用できることの証拠にはなりません。過去に申し込んだ投資サイトやアンケート、SNSへの投稿、被害について相談した別のやり取りなど、相手が情報を知り得る経路は1つではないためです。

  • 相手が何を知っているか(サイト名、金額、送金した時期、送金先)を書き出す。
  • その情報を、どこから知ったと説明しているかを記録する。
  • こちらから新たな情報(残りの資産、別の口座、家族の連絡先など)を足さない。

相手の説明と、自分が過去にその情報を伝えた相手とが一致しない場合は、その食い違いも記録として残しておきます。

契約の相手が誰なのかを確認する

次に、誰と契約することになるのかを確認します。連絡してきた担当者と、実際に契約書に名前が載る相手が違うこともあります。

  • 会社名または事務所名、代表者名。
  • 所在地の表示と、連絡手段(電話、メール、チャットのみか)。
  • 契約の主体(会社か個人か、国内か海外か)。
  • 担当者の氏名と、所属先との関係。

金融庁は、無登録で金融商品取引業を行っているとして警告書を出した者の名称等を公表しています。ただし、掲載されているのは警告書を出した時点で確認できた者に限られ、掲載されていない者でも無登録営業に当たる行為を行っていることがあり得るとしています。掲載されている名称や所在地も、現時点のものでない場合があります。

会社名・所在地・登録番号などの記載があること自体は、安全の根拠になりません。記載された内容と、実際の契約書・請求書・振込先の名義が一致しているかを確かめてください。

何をしてくれるのか(業務範囲)を確認する

依頼前に確認する業務の種類ごとに、扱う内容と確認できることを整理した比較図解

「取り戻します」という一言には、実際にはさまざまな業務が含まれています。
調べる業務、法的な相談、相手との交渉、公的な手続きは、それぞれ扱える相手が違います。

1つの相手がすべてを行うわけではありません。

業務の種類扱う内容確認できること依頼前に聞くこと
調査・情報整理記録の整理と事実の確認取引や送金の経緯と範囲報告の形式と範囲
法律相談法的な手段の検討取れる手段と見通しの説明相談料と依頼の条件
代理交渉・返金請求相手方への請求・交渉請求の方法と進め方誰の名前で行うか
捜査犯罪としての取り扱い届け出の受理と取り扱い被害届の相談の流れ
金融機関・取引所への確認口座や取引の状況手続きの有無と取引記録連絡する窓口と必要な情報
公的制度に基づく手続き制度に沿った申請対象・期間・申請方法制度の公式な案内

契約書に書かれた業務範囲と、連絡の中で説明された内容が一致しているかを確認してください。説明では「交渉して取り戻す」と言っていたのに、契約書には「情報提供」「調査報告」としか書かれていない、ということもあります。

日本弁護士連合会は、弁護士は日常生活上のトラブルから刑事事件まであらゆる分野の問題に対応し、どの段階でも相談できると案内しています。相手への請求や交渉を含む依頼を考えている場合は、その業務を誰が行うのかを、依頼の前に必ず確認してください。

この表は、業務の違いを整理するためのものです。どの相手が優れているか、結果が出やすいかを比べるものではありません。

費用の内訳と、支払う時期を確認する

費用は、名目と支払う時期を分けて確認します。口頭の説明だけで判断せず、書面で受け取ってください。

  • 着手金・調査費・実費・成功報酬のうち、どれがいくらか。
  • 前払いか後払いか、分割か一括か。
  • 追加の費用が発生する条件と、その上限。
  • 途中で解約した場合の返金の条件。
  • 「成功」とは何を指すのか(連絡がついた、交渉した、入金があった、など)。

「成功報酬だけなので負担はありません」と説明されていても、登録料や調査費、保証金など、別の名目で前払いを求められることがあります。何に対する費用なのかが書面で示されないまま支払うのは避けてください。

なお、出金するために税金や保証金、手数料を求められているという場合は、最初の被害の相手からの請求で、この記事で扱う「第三者からの回収の勧誘」とは状況が異なります。その場合は出金時の追加請求の名目と支払う前の確認ポイントをご覧ください。

返金や回収を約束する説明を受けたときの見方

連絡の中でよく使われる説明は、大きく次の3つに分けられます。

  • 結果を約束する説明(「全額戻ります」「〇日以内に返金されます」など)。
  • 返金率・回収率などの数字を示す説明。
  • 「国の制度で戻せる」「公的な手続きを代行する」という説明。

結果を約束する説明を受けた場合は、なぜそう言えるのかの根拠を確認してください。
相手の口座や資金の状況は、第三者が事前に把握できるものではありません。
どの相手に依頼しても、戻るかどうかをあらかじめ約束することはできないはずです。

返金率や回収率の数字を示された場合は、何件を母数にした数字か、どの期間か、どのような事案を対象にしたものかが示されているかを確認します。これらが示されていない数字は、判断の材料になりません。

「国の制度で戻せる」という説明については、制度そのものを確認してください。
振り込め詐欺救済法は、預金口座等への振込みを利用して行われた詐欺等の被害を受けた人の財産的被害の迅速な回復等に資することを目的とした法律で、預金保険機構が同法に基づく公告を行っています。公告では、振り込んだ口座について手続きが行われているか、どこまで進んでいるか、口座の残高、申請期間を確認できます。

制度があることと、個別の事案でお金が戻ることは別の話です。制度の手続きを有料で代わりに進めると持ちかけられた場合は、制度の公式な案内と照らし合わせ、支払う前に説明の中身を確認してください。

公的機関・弁護士・調査会社を名乗る連絡を受けたとき

被害の後に届く連絡では、公的機関や専門家の名前が使われることがあります。名乗られた立場ごとに、確認の手がかりが違います。

  • 公的機関を名乗る場合:金融庁は、金融庁などの職員が金融商品の取引の勧誘を行ったり、被害の調査などを行ったりすることはないとしています。名乗られた機関の公式サイトの記載と照らし合わせてください。
  • 弁護士・法律事務所を名乗る場合:日本弁護士連合会は、SNS上で弁護士になりすまし、偽造した身分証明書の画像を示す詐欺の手口が報告されており、被害に遭った人に被害救済などの名目で行われる場合もあると注意を呼びかけています。画像の弁護士や写真が実在するものであっても、SNS上のやり取りだけで本人と判断するのは大変危険だとしています。
  • 調査会社を名乗る場合:会社の所在地と連絡先、契約書に書かれる業務範囲と費用を、前の見出しで挙げた項目に沿って確認します。

名乗られた事務所や会社の公式サイトに、自分たちは関与していないという告知が出ている場合もあります。連絡に書かれた電話番号やリンクではなく、自分で調べた公式サイトから確認してください。消費生活センター等では、消費生活全般に関する苦情や問い合わせを専門の相談員が受け付け、公正な立場で処理に当たっていると国民生活センターは説明しています。

向こうから連絡してきた相手ではなく、自分から相談先を選びたい場合は、詐欺被害の相談先ごとに確認できることの違いにまとめています。

暗号資産の回収やウォレット復旧を持ちかけられたとき

暗号資産(仮想通貨)で送金した被害では、「ブロックチェーンを追跡して取り戻す」「ウォレットを復旧する」という連絡が届くことがあります。消費者庁は、暗号資産をめぐるトラブルが増加し、暗号資産の交換と関連付けて投資を持ち掛けるトラブルが増えているとして、金融庁・警察庁と連名で注意を呼びかけています。

日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)は、被害後に別の業者から「回収できます」と連絡が来た場合について、回収や返金をうたう追加の請求は二次被害の可能性があるとし、新たな支払や契約の前に公的な相談窓口へ確認するよう案内しています。また、多くの場合、暗号資産の送金は取り消しできないと説明しています。

  • 何をもって「復旧」「回収」と言っているのかを、具体的に説明してもらう。
  • 送金先のアドレスや取引ID(TXID)を確認することと、資金が手元に戻ることは別であると理解しておく。
  • 手続きのために、別のウォレットや取引所への送金を求められていないかを確認する。

秘密鍵やシードフレーズ(復元フレーズ)、取引所のパスワードや2段階認証のコードは、復旧や回収のためであっても渡す必要はありません。これらを求める相手には応じないでください。

依頼する前に残しておく情報と、すでに支払った場合の記録

「取り戻せる」という連絡を受けたときに依頼する前に残しておく情報のチェック図解

依頼するかどうかを決める前に、次の情報を手元に残しておきます。後から説明を比べたり、ほかの相手に相談したりするときに役立ちます。

  • 連絡が届いた経路と日時。
  • 相手の名乗りと連絡先の表示。
  • 提示された費用と支払時期。
  • 契約書・利用規約・請求書。
  • 送金先の口座名義やアドレス。
  • やり取りの画面(削除せず保存)。

契約前に残しておく情報

チャットやメールは、相手のアカウントが消えると見られなくなることがあります。日時と相手の表示名が分かる形で、画面を保存しておいてください。電話で説明を受けた場合は、日時と説明された内容をその日のうちにメモに残します。

契約書・利用規約・請求書で確認すること

  • 契約の主体(誰と契約するのか)。
  • 業務範囲(何をして、何をしないのか)。
  • 費用の内訳と支払時期、追加費用の条件。
  • 解約の条件と、途中解約時の返金の条件。

書面を求めても出てこない場合は、「書面が出てこなかった」という事実も記録しておきます。

すでに費用を支払ってしまった場合

支払った日時、金額、支払方法、送金先(口座名義またはアドレス)、請求書や領収書をそろえてください。追加の支払いを求められても、いったん止めて記録を整理することを優先します。記録の残し方や、今日のうちに止めることについては詐欺に気づいた直後にすべきことにまとめています。

相手のサイトのURL、契約書や請求書、送金先の情報がそろっていれば、そのままお送りいただけます。

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関連する状況別記事

DataProに確認できること・できないこと

DataProは、調査・分析・資金追跡を行う立場から、次の内容をお手伝いできます。

  • 受け取った連絡の内容と、提示された契約内容の整理。
  • 相手のサイトや表示されている情報の確認。
  • 暗号資産の取引記録の確認(TXIDや送金先アドレスの読み取り)。
  • 資金の移動を確認するための情報整理。
  • 相談時に必要な記録の整理と、次に確認すべき事項の案内。

一方で、次の内容は行いません。

  • 法律相談や、相手への返金請求・代理交渉。
  • 捜査や、犯人を断定すること。
  • 資金の回収、口座の凍結、カード決済の取消しをお約束すること。

DataProも、結果をお約束することはできません。確認できる範囲とできない範囲を、ご相談の最初にご説明します。

「取り戻せる」という連絡に関するよくある質問

「お金を取り戻せる」という連絡は、すべて詐欺なのでしょうか。

連絡の形だけで判断することはできません。相手が誰か、何をするのか(業務範囲)、費用はいくらでいつ払うのか、それらが書面で示されるか、の4点を確認してください。確認できない項目が多いほど、支払いを急ぐ理由はありません。

先に調査費や着手金を求められました。支払ってもよいですか。

支払う前に、何に対する費用なのか、追加の費用が発生する条件は何か、途中で解約した場合にどうなるかを、書面で確認してください。消費者庁は、被害回復のためといって金銭を要求される二次被害に注意を呼びかけています。

返金率や回収率の数字を示されました。どう見ればよいですか。

何件を母数にした数字か、どの期間のものか、どのような事案が対象かが示されているかを確認してください。これらが分からない数字は、判断の材料になりません。また、数字は個別の事案の結果を約束するものではありません。

公的機関の名前で連絡が来ました。本物かどうか確認できますか。

金融庁は、金融庁などの職員が金融商品の取引の勧誘や被害の調査などを行うことはないとしています。連絡に書かれた番号やリンクを使わず、自分で調べた公式サイトの記載と照らし合わせてください。

なぜ相手は私の被害を知っているのでしょうか。

相手が情報を知り得る経路は、過去の申込やアンケート、SNSの投稿など1つではありません。被害を知っていることは、相手が信用できる証拠にはなりません。相手が何を知っているかを記録し、こちらから新たな情報を渡さないようにしてください。

暗号資産のウォレットを復旧できると言われました。

何を指して「復旧」と言っているのかを具体的に確認してください。秘密鍵やシードフレーズ、パスワードは、復旧のためであっても渡す必要はありません。送金の記録を確認することと、資金が戻ることは別です。

まとめ

被害の後に届く「お金を取り戻せる」という連絡は、その場で判断せず、相手と説明の中身を確認してから決めることが大切です。

  • その場で契約・送金をせず、追加の情報も渡さない。
  • 契約の相手が誰なのかを確認する。
  • 業務範囲と費用を、書面で確認する。
  • 結果を約束する説明や数字は、根拠を確認する。
  • やり取りと支払いの記録を残しておく。

確認できない項目が多いほど、支払いを急ぐ理由はありません。迷ったときは、手元の記録をそろえたうえで、状況を整理するところから始めてください。

整理した内容をもとに、確認できる範囲を知りたい方はご相談ください。

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