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ウォレットアドレスの追跡はどこまで?送金先を自分で確認する手順

ウォレットアドレスの追跡で送金先を自分で確認する手順を示したアイキャッチ画像

送ってしまった暗号資産が、いまどこにあるのか知りたい。相手のウォレットアドレスを調べれば、持ち主や行き先が分かるのではないか。
ウォレットアドレスの追跡について調べている方は、送金したあとの段階にいることが多いと思います。

公開されている記録から確認できることは、アドレスとアドレスの間のお金の動きです。持ち主が誰かは記録に書かれていません。それでも、自分の送金がどこへ向かったのかは、手元の記録から順にたどれます。

この記事では、確認を始める前にそろえるもの、公開された記録で見えるもの・見えないもの、自分で確認するときの手順、そして確認の限界を整理します。

DataProは、暗号資産(仮想通貨)や投資サイトのトラブルに限らず、SNS投資詐欺やロマンス詐欺、副業詐欺など、オンライン上の詐欺被害全般のご相談を受け付けています。アドレスやTXIDが手元にあるか分からない段階でも、ご相談いただけます。

確認を始める前に手元でそろえるもの

先に結論を整理します。公開されている記録からは、アドレスとアドレスの間の資金の移動を確認できる場合があります。一方で、アドレスだけで持ち主や送った相手を特定することはできません。閲覧サイトに取引所名などのラベルが表示されることもありますが、それだけで最終的な到達先を決めないでください。

確認を始めるときに必要なのは、次の3つです。

  • 自分が送った送金のTXID(トランザクションID)。
  • 送金先として指定されたアドレス。
  • 送金した日時・数量・使った取引所やウォレットの名前。

これらは、利用した取引所やウォレットアプリの送金履歴に残っています。表示されている項目名はサービスによって違うため、履歴の詳細画面まで開いて確かめてください。

送金先アドレスは長い英数字の文字列です。手で書き写すと間違えやすいため、画面の保存とコピーの両方で控えておきましょう。

アドレスは、先頭と末尾の数文字だけが一致していても、同じアドレスとは限りません。確認するときは、全体が一致しているかを見てください。

公開されている記録で見えるもの

送金記録から確認する情報ごとに、公開された記録で分かることと分からないことを整理した比較図解

一般的なブロックチェーンでは、送金の記録が公開されています。

金融庁のウェブサイトで公表されている調査研究報告書(2019年)は、一般的なブロックチェーンではトランザクションの内容(送金元、送金先、送金金額等)が全員に公開されると説明しています。閲覧用のウェブサイトなどで、誰でも同じ記録を見られます。

確認する情報分かること分からないこと
送金元・送金先のアドレス指定された先へ届いたかどうかそのアドレスの持ち主が誰か
送金の数量と日時自分の記録と一致しているか相手が何のために受け取ったか
取引が確定しているか送金が完了した状態かどうか受け取ったあとにどう扱われたか
その後の移動別のアドレスへ動いたかどうか移動先で誰が受け取ったか

表示される内容は、慣れないと読み取りにくいものです。見た目だけで判断せず、自分の送金と一致する項目を1つずつ照らし合わせてください。

同じ数量の送金が近い時刻に並んでいることもあります。TXIDまで一致しているかを確かめると、自分の送金かどうかを取り違えずに済みます。

記録では見えないもの

一方で、記録からは分からないこともあります。

同じ報告書は、暗号資産には実世界上の本人情報と紐付かない危険性があると指摘しています。アドレスの持ち主が誰かは、公開されている記録には書かれていません。

  • アドレスの持ち主の氏名や連絡先。
  • 相手が実在する会社なのかどうか。
  • 取引所に入ったあと、誰の口座に入ったのか。
  • 送られた資産がいま誰の手元にあるのか。

同報告書は、暗号資産取引所については、取引所に入った後の移動経路が第三者からは分からないとしています。確認できるのは、公開されている記録に残っている範囲までです。

公開されている記録で資金移動を確認する手順

手元の記録がそろったら、次の順番で確認します。

  • 履歴の詳細画面を開き、TXIDと送金先アドレスを控える。
  • 送金の日時・数量が、自分の記録と一致しているかを確かめる。
  • 送金先アドレスに、その後の移動があるかどうかを見る。
  • 移動があれば、その先のアドレスを開いて、さらに動きがあるかを見る。
  • たどれなくなったところで手を止め、その先は断定しない。

複数回に分けて送った場合は、1回ごとにTXIDが付きます。回数が多いときは、1件ずつ順番に開いて確かめてください。まとめ方は、あとの「確認できた移動と分からなかった点を記録する」で扱います。

記録と突き合わせるときは、次の項目を1つずつ確認します。

突き合わせる項目手元の控え公開されている記録側
送金の日時入出金の履歴画面その取引が記録された日時
数量送金時に入力した数量記録に残っている数量
送金先指示されたアドレス実際に受け取ったアドレス
状態送金完了と表示されたか取引が確定しているか

資金追跡で何がどこまで分かるのか、全体像を先に知りたい場合は、暗号資産の資金追跡でわかること・わからないことにまとめています。送ってしまった直後の整理の順番は、取引所で買った暗号資産を指定先へ送ってしまったときに確認することをご覧ください。

どこまでたどれて、どこから先が分からないのかを、一緒に切り分けられます。

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送り先が取引所らしいと分かった場合

送り先が取引所のものらしいと分かる場合があります。

その場合でも、取引所の中で誰の口座に入ったのかは外から確かめられません。情報を持っているのは取引所で、開示には捜査機関からの依頼などの手続が関わります。

金融庁は、特殊詐欺等の被害金が暗号資産交換業者あてに送金される事例が多発している情勢を踏まえ、警察庁と連名で、金融機関の業界団体等へ不正な送金への対策の強化を要請したと公表しています。

日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)は、多くの場合、暗号資産の送金は取り消しできないとしたうえで、状況確認のため、利用している暗号資産交換業者へすぐに連絡するよう案内しています。

連絡するときは、次の内容を伝えられるようにしておくと、状況を説明しやすくなります。

  • 送金した日時と数量。
  • 送金先として指定されたアドレス。
  • その送金のTXID。
  • 送金を指示された経緯(どこで誰から言われたか)。

確認が難しくなる場面

次のような場合は、記録をたどること自体が難しくなります。

場面報告書の説明
資産を混ぜる仕組みを通ったミキシングが行われると、送金元と送金先の紐付けが行えず、追跡が困難となる
匿名性を高める技術が使われた匿名通貨や分散型取引所、匿名通信技術などの開発が進み、把握や追跡は困難な状況になりつつある
アドレスの持ち主を推測するアドレス群を名寄せして外部データを紐付ける手法はあるが、あくまで推測に留まり、データの質や量に大きく依存する

送り先から、別のネットワークや別の通貨へ移っている場合もあります。その場合は、同じ閲覧サイトだけでは移動した先を続けて確認できないことがあります。どこまでたどれたのかを記録に残し、それより先は確認できなかった点として分けて書いておきましょう。

難しい場面に当たっても、そこまでにたどれた記録は残ります。どこまで確認できて、どこから先が分からなかったのかを分けて書いておきましょう。

確認できた移動と分からなかった点を記録する

送金先アドレスを確認した結果として残しておきたい記録のチェック図解

確認した結果は、次の形で残しておきましょう。

  • 送金の一覧(日付・数量・送金先アドレス・TXID)。
  • 送金履歴の画面(日時・数量・送金先が写るもの)。
  • 送金を指示されたやり取りの画面。
  • 確認した日時と、どの閲覧サイトで見たか(そのURL)。
  • 確認できた点と、確認できなかった点のメモ。
  • 相手から案内されたサイトやアプリのURL。

JVCEAは、事件性が認められる場合には捜査が行われることがあり、その際には送金履歴等の証拠資料の保存が重要になるとしています。記録の残し方そのものは、詐欺の証拠の残し方にまとめています。

送金履歴の画面やアドレスの控えがそろっていれば、そのままお送りいただけます。

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「追跡して取り戻す」という連絡には注意する

アドレスを調べたあとに、「追跡して取り戻せる」「犯人のウォレットを特定した」と説明して、先に費用を求める相手がいます。ここまで見てきたとおり、公開された記録から分かる範囲には限りがあり、回収を事前に約束できる人はいません。

先に費用を求められた場合は、支払う前にやり取りの画面を保存してください。返金をうたう連絡への注意点は、「お金を取り戻せる」という連絡への注意点で整理しています。

DataProに相談できること・できないこと

DataProは、調査・分析・資金追跡を行う立場から、次の内容をお手伝いできます。

  • TXIDと送金先アドレスをもとにした、公開記録上の資金の移動の確認。
  • 確認できた点と、推測にとどまる点の切り分け。
  • 送金の一覧と、やり取りの記録の整理。
  • 警察や弁護士へ相談するときに必要な記録の整理。

一方で、アドレスの持ち主の本人や犯人を特定すること、法律相談、相手への返金請求や代理交渉、捜査は行いません。資金の回収や口座・アカウントの凍結をお約束することもできません。確認できる範囲とできない範囲は、ご相談の最初にご説明します。

ウォレットアドレスの確認についてよくある質問

ウォレットアドレスの追跡で、相手の名前は分かりますか。

分かりません。公開されている記録に書かれているのは、アドレス同士のお金の動きです。金融庁のウェブサイトで公表されている調査研究報告書も、暗号資産は実世界上の本人情報と紐付かない危険性があると指摘しています。

送金先アドレスを入力すれば、自分でも確認できますか。

公開されている記録は、閲覧用のウェブサイトなどで誰でも見られます。ただし表示の読み取りには慣れが必要で、見た目だけで判断すると誤解することがあります。自分の送金と一致する項目を1つずつ照らし合わせてください。

TXIDが分からないときはどうすればいいですか。

国内の取引所から送った場合は、取引所の送金履歴に表示されることが多くあります。自分で管理するウォレットアプリの場合は、アプリの取引履歴を確認してください。見つからない場合も、送金の日時と数量が分かれば手がかりになります。

送り先が取引所だった場合、そこから先は追えますか。

外からは確かめられません。金融庁のウェブサイトで公表されている調査研究報告書は、取引所に入った後の移動経路が第三者からは分からないとしています。情報を持っているのは取引所で、開示には手続が関わります。

追跡すれば、送った暗号資産は戻りますか。

戻ると約束できる人はいません。JVCEAは、多くの場合、暗号資産の送金は取り消しできないとしたうえで、状況確認のため利用している暗号資産交換業者へすぐに連絡するよう案内しています。

追跡が難しくなるのはどんなときですか。

報告書は、ミキシングが行われると送金元と送金先の紐付けが行えず追跡が困難となること、匿名通貨や分散型取引所などの開発により把握や追跡が困難な状況になりつつあることを挙げています。

まとめ

ウォレットアドレスの追跡で自分にできるのは、公開された記録の範囲で、自分の送金がどこへ向かったのかを確かめることです。

  • TXID・送金先アドレス・日時と数量を手元にそろえる。
  • 公開された記録で、送金と、その後の移動を確かめる。
  • 持ち主が誰かは、記録からは分からない。
  • 取引所に入った後の動きは、外からは確かめられない。
  • 確認できた点とできなかった点を分けて残す。

アドレスやTXIDが手元にあるか分からない段階でも、送金履歴の画面から一緒に確認できます。

送金先について、確認できる範囲を知りたい方はご相談ください。

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